薬局業務日誌

薬局で役に立つ情報を綴っていきます。

もっと光が当たってもいいと思う医薬品 ~ ナブメトン ~

 ナブメトン...? 

聞いたことがないという方は多いのではないでしょうか。私も一度も触れたことがありません。在庫を持っていた店舗もありません(薬剤師歴約10年)。存在を知ったのはガン緩和ケア関連の書籍。その書籍にはアメリカでは最も使用されていると書かれてました。聞いたことがなかったので日本で販売されているの?と思い、調べたところ商品名レリフェン錠400mgで販売されていました。

 

レリフェンの添付文書より

 

効能又は効果

下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛

関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎

用法及び用量

通常、成人にはナブメトンとして800mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

 

1日1回でいいんですね。

 

薬物動態情報:約4時間で最高血中濃度に達し、約21時間の半減期

 

半減期はメロキシカム(モービック®)と同じぐらいですね。平成28年のNDBデータではモービック®は21位(ジェネリックも含めて)。ちなみにレリフェン®は圏外。

 

肝心の臨床データはどうでしょうか。

  • Safety and efficacy of nabumetone in osteoarthritis: emphasis on gastrointestinal safety.

PMID: 10759624(全文見れます)

2.A controlled study comparing the effects of nabumetone, ibuprofen, and ibuprofen plus misoprostol on the upper gastrointestinal tract mucosa. PMID: 8239849(全文見れず...)

1は徐放性ジクロフェナクとさらに半減期の長いピロキシカム半減期:約40時間)と比較してます。2はイブプロフェン半減期:約2時間)との比較です。

1の文献では鎮痛効果は3種とも同程度、消化管出血はナブメトンが低いという結果でした。2の文献は主に消化管出血リスクを評価しており、イブプロフェンより少ないという結果でした。

 

イブプロフェンと同等の安全性で、半減期も長い。疼痛コントロールは徐放性の方がいい。1日1回なら患者さんも調剤も楽。いいことだらけ?

モービック®10mg (1錠52.6円)/レリフェン®400mg(2錠で64円)値段もそんなに変わらないのにモービック®の方が使用量が多いのは?

もっと使用されてもいい薬だと思う。