薬局業務日誌

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IHME(Institute for Health Metrics and Evaluation)ってナンですか?   ~ 世界一の富豪はやはりスゴイですね! ~

 Institute for Health Metrics and Evaluation、日本語では保険指標評価研究所というらしいです。ワシントン大学の一部で2007年7月に設立されました。創設にはワシントン州とビル&メリンダゲイツ財団(Microsoftビル・ゲイツ氏ですね)です。

 IHMEはアメリカの機関でありながらアメリカ国内の公衆衛生調査のみならずグローバルな活動をしています。2011年3月から世界の人口統計及び健康調査Global Health Data Exchange(GHDx)が開始されました。さらに、2012年12月からは疾病・傷害の世界的な経済的負担を調査するGlobal Burden of Disease(GBD)が開始されました。

 「Global」なので当然日本も入っております。GHDxの日本の人口統計データを見てみましょう。下の画像がGHDxのページです。「Counties」のタグに「Japan」を入力します。

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 すると↓のページが表示されます。

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 拡大してみますね↓

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「Country Profile」のURLをクリックしますと↓のページが表示されます。

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 人口と一人当たりのGDP出生率、1990年から現在までの平均寿命の推移がわかります。

 さらに下にページを進めますと

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 1990年から現在までの5歳未満および1歳未満の死亡率の推移です。

 続いて↓

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 2005年と2016年の死因の変化とその変化率(%)を示しています。

 さらに↓

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 2005年と2016年の死因及び傷害のリスク因子の変化とその変化率(%)です。

 ここまでを見ても図が多用され、色彩もカラフルです。厚労省の人口統計データと比較しましたが、はるかにこちらのほうが見やすく、アクセスまでの工程もスムーズでした。しかも1ページで多くの情報を見れます。

 そしてグローバルヘルスですから、当然他国のデータも同様にあります。自国のデータと他国を比較できるのも利点ですね。

 下の図は各国のYLLs(Years of Life Lost:本当なら生きられたのに生きられなくなってしまった年数)の要因トップ10と、比較した国の平均との差を上回るなら赤、同等なら灰、下回るなら青で色分けして表示しています。日本は自殺(Self-harm)がYLLトップです。

図6で2016年の死因トップは血管障害で自殺は12位でした。しかしYLLに置き換えると自死がトップです。これが意味するのは「損失の大きさ」です。20代、30代の死は平均寿命が80年の日本においては特にYLLが大きくなります。20代、30代の自死の数の多さがこの図で表されており、悲惨な状況であるといえます。

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 今回はGHDxのページを紹介しました。次回はGBDを紹介したいと思います。

では。。