薬局業務日誌

薬局で役に立つ情報を綴っていきます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

薬剤溶出性ステントは従来のベアメタルステントに比べて優れていますか?

冠動脈ステント留置術歴のある老健施設入所者の処方を見直す機会がありました。薬剤溶出性ステントは病院実習の課題にしていました。実習先は循環器病センターでちょうどステント留置後の抗血栓療法におけるクロピドグレルの臨床試験を行っておりデータも豊…

ARBとACEI 

ARBとACEI 高血圧治療においてはガイドラインにおいても適用は同列で記載されている両者、日本では品目、使用量共にARBが多い傾向。(※厚生労働省のNDBオープンデータ参照、ただジェネリック未発売、販売時期等の影響もあるため単純比較はできない)。 まず…

骨転移のある進行性乳がん患者の痛みに対する効果 ~ゾレドロン酸・デノスマブ~

デノスマブをよく知らないので薬理作用から書きたいと思います。 まず、デノスマブは一言で言うと抗体製剤です。受容体結合でケミカルメディエーターを阻害して細胞間反応をそこで停止させます。どこの受容体に結合するかというと破骨細胞とその前駆細胞です…

骨粗鬆症による背部痛に効く薬はありますか? ~カルシトニン製剤~

骨粗鬆症による背部痛に効く薬はありますか? ~カルシトニン製剤~ <Introduction> 適応に「骨粗鬆症における疼痛」と記載されている製剤はメナテトレノンとカルシトニン製剤だけで、ビスホスホネートやPTHでは疼痛の文言はありませんが論文はあります。 …

添付文書の疑問 ~持続型インスリンの投与回数~

<introduction> 現在市販されている持続型インスリンはデテミル(レベニル®)/グラルギン(ランタス®)/デグルデク(トレシーバ®)の3種。 グラルギンとデグルデクの投与回数2回の記載が無いのに対し、デテミルは「他のインスリン製剤との併用において、2回投与する場合は</introduction>…