薬局業務日誌

薬局で役に立つ情報を綴っていきます。

微生物の環境表面生存時間

 結核菌は空気感染する。咳などをして排出された菌によって感染する。

と教科書には書かれている。

 

そこで気になったのは排出された菌はどれぐらいその辺に漂っているのか? どれぐらい生きているのか?

 

なので、文献等あるか調べてみたら下記の論文がありました。 全文見れます。

 

「How long do nosocomial pathogens persist on inanimate surfaces? A systematic review」

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1564025/

 

この論文では約30種ずつほど細菌とウイルスの生存時間がまとめられていました。

 

systematic reviewなんで元の論文も見てみようと思い多く採用されている文献(9番と28番と90番)だけ調べてみました。

 

9番 Survival of Enterococci and Staphylococci on Hospital Fabrics and Plastic 全文見れます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC86187/

 

28番 Neely AN. A survey of gram-negative bacteria survival on hospital fabrics and plastics. Journal of Burn Care and Rehabilitation. 2000 abstractのみ(条件や使用している材質は9番とほとんど同じです)

 

90番 Mitscherlich E, Marth EH. Microbial survival in the environment. Berlin, Springer; 1984.

一部見れます。これが一番詳しく載ってますね。

 

この3つから現状可能な限り取れた情報でまとめてみました。

 

まずはグラム陽性菌から

 

persistance of bacteria 1

 MS:メチシリン感受性/MR:メチシリン耐性 

 VS:バンコマイシン感受性/VR:バンコマイシン耐性

 

続いてグラム陰性菌

 

persistance of bacteria 2

 

耐性菌と非耐性菌ではとくに差はないようですね。

 

結構材質によって生存時間に違いが出ますね。

 

タオルより仕切用カーテンの方が生存時間が長くなることには驚きました。

タオルの方がくっついていられやすそうですけどね。

仕切用カーテンなんてつるつるしてますし。

ウイルスの表面構成成分と材質の構成成分の相性が影響するのかな?

 

しかし、肝心の結核に関する生存時間がフリーでは見られず、、、残念。

 

この雑誌(Mitscherlich E, Marth EH. Microbial survival in the environment. Berlin, Springer; 1984)が菌の種類も詳しさも

一番なんですけど、1万円ほどするんですよね。いまだに。1984年のものなのに。

 

ん~~ 購入するか。

 

今後は真菌とウイルスについても書いていく予定です。