薬局業務日誌

薬局で役に立つ情報を綴っていきます。

疥癬には外用のペルメトリンと内服のイベルメクチンどちらが効果がありますか?

疥癬について簡単に

原因はヒゼンダニですね。

卵→幼虫→若虫→成虫と約2週間で成熟します。

 

皮膚同士の接触によって感染します。

 

皮膚内に掘った穴や毛包内に隠れていたりします

(穴を掘りやがるんですね…)

 

交尾後の雌成虫は、角質層に特徴的な疥癬トンネルを掘り進みながら、4〜6週間にわたって1日2〜3個ずつ産卵し続ける。

(ん~ 想像すると‥‥)

 

低い温度では動きが鈍く、16℃ではほとんど運動しなくなる。

 

角化型と通常があるが単に感染数の違いで分類しただけ

角化型が感染数多く、重症。

高齢者、免疫抑制状態で出る

 

治療:

日本ではイベルメクチン(商品名ストロメクトール:3mgTabのみ)を約200μg/㎏を1回経口投与します。 

成人50kgなら10mgなんで3錠かな?

 

しかし、海外には外用があるんですね

 

ものは 「ペルメトリン(Permethrin)5%クリーム」です。

 

ではどちらがいいのでしょうか? 検索してみました。 以下の論文が見つかりました。

 

「The efficacy of permethrin 5% vs. oral ivermectin for the treatment of scabies」

 

study design

 

P :2歳以上の疥癬患者

E :ivermectin

C :permethrin 5%

O :2、4週間後の完全治癒人数

(治療は2週間:顕微鏡により判定)

 

確認項目

ランダム化されているか? 「single-blind」 で被験者のみが盲検化されているのみ。

 

ITTか? 脱落はどれくらいか?

「8 patients were not able to return after the first follow-up examination, and were therefore excluded from the

study」とあるのでITTではない(68人登録で8人が脱落でこれを除外

 

結果

2週間後:イベルメクチン(73.3%)/ペルメトリン(93.3%)

4週間後:イベルメクチン(93.3%)/ペルメトリン(100%)

 

副作用

どちらの群もアレルギー、その他体調不良も出てないと記載されいる。

 

結論:

論文は有意差なしと判定しているが、1週間後ではイベルメクチン(46.6%)/ペルメトリン(80%)である。これはペルメトリンの方が治癒までの時間がかなり短いと判定できるのでは?

副作用発現も差がないようなので自分は外用を使用したい(日本では販売されてないが……)