ペンタサとアサコールの違いは?
やはり薬剤師なら製剤学は重要ですよね。 論文も合わせながら書いて行ければと思ってます。
徐放性製剤は名前にLとかCR入ってるものはわかりやすいですよね。
でも名前を見ても徐放性かどうかわからないものもあります。
その一つがペンタサとアサコールですね。 (LとかCR入ってないですよね)
※同じ系統のアザルフィジンENは腸溶錠ですね。 「EN」 とありますよね。
ENは「enteric(腸の)の最初の2 文字をあらわした」そうです(IFより)
ペンタサは
エチルセルロースでコーティングした放出調節製剤。 小腸から大腸までの全域でメサラジンが放出される。 とIFに記載があります。
pH依存放出性フィルムコーティング錠。 pH6.4で溶出せず、pH7.2で溶出する。 とIFに記載があります。
性質に違いがありますね。
ペンタサは放出制御 アサコールはPH依存
この違いが適応に現れます。
ペンタサは 潰瘍性大腸炎とクローン病 ※クローン病炎症病変が小腸にまで及ぶ病気です。
アサコールは潰瘍性大腸炎だけですね。 ※大腸でしか溶出しない設計なので当然ですね。
患者さんへの説明しておくべき事項が一つありますね。
ペンタサだとコーティングのエチルセルロースの白いカスが出る場合があり
アサコールも錠剤の残りが出る場合がある旨を伝えておくべきですよね。
最後に用法用量のまとめです。
ペンタサ
<潰瘍性大腸炎><クローン病>
- 通常、成人はメサラジンとして1日1,500mgを3回に分けて食後経口 服用するが、寛解期には、必要に応じて1日1回の服用とすることができる。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。ただ し、活動期には、必要に応じて1日4,000mgを2回に分けて服用することができる。
- 通常、小児はメサラジンとして1日30~60mg/kgを3回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2250mgを上限とする。
- 通常、成人はメサラジンとして1日1500mg~3000mgを3回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
- 通常、小児はメサラジンとして1日40~60mg/kgを3回に分けて食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 通常、成人はメサラジンとして1日2,400mgを3回に分けて食後経口服用するが、活動期には、1日3,600mgを3回に分けて食後経口服用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
同じ成分で同じ適応なのに用量に違いが出るのは何故か?
恐らく溶出量などによる吸収量に差があるのだと思いますが調べてません。 すいません。
この溶出性の違いによる効果の違いに関して論文を探しましたが見つかりませんでした。