薬局業務日誌

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メネシット(=ネオドパストン)とマドパ(=ネオドパゾール)用量に違いがあるのはナゼ?

知らなかった...(T_T)

 

メネシット(=ネオドパストン)とマドパー(=ネオドパゾール)で用量に違いがあるんですね...  勉強不足でした

 

で、考えられる原因はやはり、ドパ脱炭酸酵素阻害薬 dopa-decarboxylase inhibitor(DDC阻害剤、DCI)の違いでしょう

 

メネシット(=ネオドパストン)の配合内容は  →  レボドパ・カルビドパ配合錠(配合比10:1)

 

マドパー(=ネオドパゾール)の配合内容は  →  レボドパ・ベンセラジド配合錠(配合比4:1)

 

DCIが違いますね。 これが要因なのではないでしょうか?

 

調べてみました。日本で試験してましたね

 

論文:Carbidopa製剤とBenserazide製剤の血中Levodopa濃度差の検討 臨床薬理 Jpn J Clin Pharmacol Ther 31 (2) Mar 2000

 

結果:

levodopaのCmax

 

levodopa/benserazide(マドパー、ネオドパゾール)投与時 2.38±0.66μg/ml

 

levodopa/carbidopa(メネシット、ネオドパストン)投与時が1.11±0.20μg/ml

 

つまりlevodopa/benserazide(マドパー、ネオドパゾール)の方がCmaxが約2倍高くなっている(P<0.05、pairedt-test)

 

Tmaxはそれぞれ50±10.0分、65±22.5分で有意な差を認めなかった。

 

60分、180分までのlevodopa血漿濃度曲線下面積(AUC/60,AUC/180)

 

AUC/60

benserazide(マドパー、ネオドパゾール)対carbidopa(メネシット、ネオドパストン)で77.3±23.7μg・min/ml対33.2±9.51μg・min/ml

 

AUC/180

144.0±23.5μg・min/ml対76.3±10.7μg・min/ml

 

いずれの場合もlevodopa/benserazideの方が高値を示した(Fig,2,p<0.05、paired t-test)

 

同じだと思ってました。危ないですね~

参考までに用量を記載しておきます。 

メネシット(ネオドパストン) ※L-dopa100mg/カルビドパ10mg と L-dopa250mg/カルビドパ25mgの2規格がある。

  • レボドパ未服用患者 通常成人でレボドパ量として1回100~125mg、1日100~300mg経口服用より開始 毎日又は 隔日にレボドパ量として100~125mg宛増量し、最適服用量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とする。 なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。
  • レボドパ既服用患者 通常成人でレ ボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回 に分けて経口服用する。以後、症状により適宜増減して最適服用量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とする が、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。

マドパー(ネオドパゾール) ※L-dopa 100mg/ベンセレジド25mg この1規格のみ

  • レボドパ未服用例の場合..通常成人は初回1日量1~3錠を1~3回に分けて、食後に経口服用し、2~3日毎に1日量1~2錠ずつ漸増し、維持量として1日3~6錠を経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • レ ボドパ服用例の場合..通常成人初回1日量は服用中のレボドパ量の約1/5に相当するレボドパ量(本剤1錠中レボドパ100mg含有)に切り換え、1~3 回に分けて、食後に経口服用し、漸増もしくは漸減し、維持量として1日量3~6錠を経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

これを見ると、メネシット(ネオドパストン)の最高1日用量は1500mgでマドパー(ネオドパゾール)は600mgほどなので試験の結果と矛盾しない用量設定ですね。