薬局業務日誌

薬局で役に立つ情報を綴っていきます。

ステロイドで胃潰瘍になりますか?

当たり前のように、膠原病の患者さんへステロイドとともに処方されるPPI

今まで当たり前のように調剤してきましたが、ステロイドによる消化性潰瘍のリスクがどれぐらいなもんなのか調べずに来ていましたので胃薬関係でまとめていきたいと思います。

 

2つの論文がヒットしました。

① Corticosteroids and risk of gastrointestinal bleeding: a systematic review and meta-analysis

② Steroids and Risk of Upper Gastrointestinal Complications

 

まず①の論文の妥当性を見ていきます。

 

1次アウトカムは消化管性出血か消化管性穿孔なので明確で、適格です。

RCTのメタアナリシスです。

異質性試験も行われているようです。グラフにheterogeneityが表示されていました。

 

結果はステロイド使用群がORで1.43倍高い( 95% CIは1.22 to 1.66の範囲)というものでした。

これはNSAIDSよりもリスクは低かったですね。確かNSAIDSは3倍ぐらいでした。

 

下が結果の表です。 

血液凝固系やNSAIDSを併用している出血リスクがある患者さんでなければ、単にステロイドだけであればPPIなどは使用する必要がないのではと思いました。

 

risk of steroids 1